新しい駐車場から繋がったグラハム・ベルの名言

 


突然ですが、この度、駐車場が新しく移転しました。

 

駐車場は前よりも広くなり、こども園までの距離も短くなったのではないかと思います。

駐車場が変わったことで、保護者の方がお子さんと一緒に歩いてくる道も変わったわけですが、柔軟性があまりない私は、駐車場が変わって最初の頃、新しい駐車場から歩いてくる親子を見るたびに、あれ?なんで今日はみんなこっちの方から来るのだろう?って思ってしまう事がありました。

変化にすぐに対応できる人は想像力があって凄いなと思います。

 

 

 



これはヤマモモという名前の木です。こども園の玄関前のアプローチ沿いに植えてあります。

このヤマモモは、6月から7月にかけてたくさん赤い実をつけます。食べることもできて、シトラスのような爽やかさと甘酸っぱさがあります。

このヤマモモ、駐車場が新しくなり、保護者の方がこども園の木の実の庭沿いを歩いてくることで、子供や保護者の方に注目されるようになりました。

新しい駐車場となり、ほどなくして何人かの保護者の方から、ヤマモモの実を手に「先生、これは何の実ですか?」と聞かれることがありました。

子どもたちも、いっぱいに実ったヤマモモを見て、これって何の味なんだろう?おいしいのかな?と興味を募らせていました。

 

前から玄関のアプローチ沿いにあり、時期になるとたくさん実ってきたヤマモモですが、これまでは注目されていませんでした。

どうしてみんなが気づくようになったかと言うと、やはり今までと違う道を歩くようになったことで、新しい発見をすることができたからだと思います。

 

この出来事から私の記憶の中で、すーっと思い出されたのは、グラハム・ベルの名言でした。

 

時には、踏みならされた道をはずれて森に飛び込んでみることだ。必ず今まで見たことのない何かを見つけられるだろう。

 

グラハム・ベルは発明家で電話機を作ったことが有名ですね。

実の所、私はヨーロッパの格言や小説が苦手です。なぜか心記憶に定着しないのです。昔ゲーテの小説を読んだ時、自然の風物を表す描写に、すごく分からなさを感じてしまい、読むのを挫折したことがあります。

 

では、なぜこの名言が、私のかすかな記憶からふわりと思い浮かんだかと言うと、私が学校法人恵愛学園に入職した時の最初の研修で、理事長先生が職員に向けてグラハム・ベルの名言を紹介していたからです。

 

本来の意味とは、少し違うかもしれません。

新しい駐車場からの道のりも、舗装されたとてもきれいな道ですし、そもそも森の中では無いですし、、

ですが、いつもと違う道を歩くことで、今まで見たことのない何かを見つけられるだろう。と言う意味合いで考えると、子どもや保護者の方たちがヤマモモの存在に気づき、関わる姿とグラハム・ベルの言葉が私の中で噛み合ったのでした。

 

新しい発見は、ほんのちょっとの変化で見つけることができるのかもしれません。

 

このヤマモモにとても興味を持った年長組の子どもたちがいました。ヤマモモをたくさん拾い、一度クラスのみんなで食べてみようと言うことになり、興味のある子たちだけで試食してみました。

ヤマモモの味覚を感じて、さらにヤマモモに興味を持った子どもたちは、今度はジャムを作りたいとジャム作りのためにヤマモモをたくさん取りました。

とはいっても、ヤマモモのジャムの作り方は、先生もよくわからないため、子どもたちとどうやって作るのか調べていると、保護者の方が、お子さんに作り方のレシピを書いてきてくださいました。

こうして今度はヤマモモのジャム作りを行い、みんなでジャムのクラッカーをひと口ずつ食べることができました。

 

子供の好奇心って改めてすごいなって感じた事例でした。

 

先生達も子どもの興味に魅せられて、引き込まれて一緒に考えていくことができました。

 

新しい発見は、心を動かされる大きな出会いではありますが、子どもにとってはさらに探究心と好奇心を駆り立てるものになるでしょう。

 

そしてこのような子どもの姿を見て、まさしくそうだなと思った、グラハムベルの言葉をもう一つ紹介しておしまいにします。

 

これも園長先生から教えていただきました。

 

生きている事は素晴らしい。この世界は面白いことでいっぱいだ。

 

子どもたちは世界を面白くしようとする天才だと思います。

 

その子の世界に触れることで、私たちもまたこの世界の素晴らしさを知っていきたいと思っています。

 

そして私は先生達がそんなゆとりを感じられるように運営していきたいなと思いました。