水遊び、それは生きる喜びの原体験

水遊びと言っても子どもが経験することは様々

今週に入り、天気が回復し、気温30度を超える日も出てきました。新潟特有の体中に湿気がまとわりつくような気候、新潟の夏だなぁって感じになってきました。

近年は暑さを楽しむと言うより、猛暑対策を考えなければならなくなり、こうも暑いと熱中症対策のため、外で遊ぶ時間も限られてきます。

そんな中でのみず遊びは、子どもたちにとって心地よさや開放感を得られる絶好の遊びです。

ところで、私たちはプール活動ではなく、みず遊びと呼んでいます。(実際プールには入るのですが)

これは一昔前に登園で行っていたプールの設定です。

以前はこのような大きなプールに入ってみんなで遊んでいました。でも今はもうこの大きなプールは設置していません。

 

現在のみず遊びの環境です。

全く違いますよね。子どもたちに水遊びを通してどのような経験をしてほしいかを十分に考えた結果、このようになったのです。

以前の大きなプールでは、みんなで1つのプールに入っていたわけです。そうするとどんなデメリットがあるか、

それは先生の指導が管理的になることです。1クラス大体26人がこの中に入るのですから走るのはもちろん、自分勝手な動きをすると人にぶつかり、怪我をするかもしれません。

・男女に分けて男の子、女の子と順番に泳いだり活動をする。どちらかが活動している時はどちらかは座ってみている。

・みんなで泳ぐ時は一方向で泳ぐ。

・水がかるのが嫌な子に配慮して保育者が設定した時だけ水をかけあう、

等々です。

そもそも顔に水がかかるのが苦手な子、平気で顔をつけられる子、泳ぐのが得意な子、子どもによって様々な経験の違いがあり、一人ひとり水と関わる際のアプローチが違うわけです。

それに水遊びと一口に言っても、全身をダイナミックに使って遊ぶこと、水を手先だけに触れながら水温の変化を感じ取ること、水面が光に反射してキラキラと輝くことを発見すること、霧状になった水の中から虹を発見すること、水滴や水の跳ね方の変化に気づくこと、子どもによって興味を持っていることや、経験する事は異なります。

では、そんな子ども一人ひとりの水に関わる経験を大切にしたいと考えたとき、どちらの環境が良いでしょうか。

愛泉こども園では、水と触れ合う気持ちよさを幼児期に経験させることで、生きる喜びを感じてほしいと思います。

そして存分に水と関わった経験が原体験となり、将来の生きる力の源になってほしいと考えています。

 

安全第一水遊び

さてここまで熱っぽく語ってしまいましたが、最後にすこし落ちるようなことを言うと、こども園教育保育要領(内閣府が出しているすべての認定こども園が遵守する事項が記載されてある文章)のねらいと内容にはプール遊びについて何も記載されていません。

 

唯一重大事故の項目で、プール活動の危険性について記載されているのみです。

 

これが何を意味するかというと、こども園ではプール活動はする必要がないと言うことです。プール活動をしなくてもこども園を修了するまでに育てたい力は達成できると言う事です。

それでも、私たちのこども園だけでなく、ほとんどすべての保育園やこども園、幼稚園でプールをだしてやっていると言う事は、やはり、とても大事な活動だからでしょう。

むしろ、認定こども園教育・保育要領に書いてない活動を、危険を承知でやるからには、やっぱりそれなりの教育的意義と効果については信念を持って活動しないとですよね。

現にプールの事故はありますし、そのほとんどは死に直結するような事故になってしまいます。私たちも笑顔で楽しみながらも、内心はいつもドキドキです。

 

一番大事なのは、安全第一

 

10センチの深さでも、子供は溺れる。

溺れる時は静かに溺れる。

必ず監視専門の職員を配置する。

例えば職員の休みが多い、気温が高すぎる等安全性が確保できないのであれば、みず遊びはしない。

みず遊び中でも熱中症に気をつける。

 

様々なことを職員と共有し、気をつけながら安全管理に取り組んでいます。

 

そして今年も無事故で、楽しいみず遊びを行っていきます!

暑い中、みず遊びの監視を真剣に行い、子どもたちにかけがえのない経験をさせている職員たちに応援をどうぞ宜しくお願いします。笑

 

最後になりましたが、今回の水遊び広場は、保護者の方々と一緒に設営しました。手伝っていただいた保護者の皆様、本当にありがとうございました。この場を借りて感謝申し上げます。