秋も深まり寒くなってきたましたが、年長組は熱いリレー大会を繰り広げています。
今年の年長組リレー大会は一人ひとりがトラックを1周回って交代していくリレーにしました。理由は大きく二つあります。
一つは3年前から自然豊かで広い園庭の中で起伏のある場所を伸び伸びと走りながら体を動かす充実感を味わってきた子どもたちです。なのでその子ども達の走る力を最大限引き出すためにはどうしたら良いかを考えました。
二つ目は走っている子ども達の動きを最後まで見れるようにするためです。リレーは皆で一つの目的を達成するために協力して活動する充実感を味わうことが出来ますが、充実感に加えて子ども同士の学び合いが促されないか考えました。他の子どもの動きをみて自分と比較したり、参考にしたり、何か気づきが生まれるのではないかと思いました。
ちなみに去年まで、というよりこれまで20年以上、直線を走りコーンで折り返してバトンを渡していく方式でした。
実際にやってみると、色々な発見がありました。
1つ目は子ども達の動きがよりダイナミックになりました。
スピードを上げてぐんぐんと加速していくので、迫力があります。
直線方式の時はコーンの折り返して一度減速しなくてはいけませんでした。
ですがバトンを渡すまで走りきることができるので自分の持っている力を発揮できるようになったと思います。
2つ目はバトンを落とす子どもが少なくなりました。
もちろん各クラスでのバトンを受け渡す練習や作戦を立てている事もありますが、単純に最初にしたリレー大会の時から以前の直線方式と比べてバトンを落とす子どもがあまりいませんでした。
それはどうしてなのかははっきりとはわかりませんが、下図1のようにバトンを渡す子どもと受ける子どもの走る方向が同じだからではと思っています。
図1:トラック1周方式のリレー
直線方式だと下図のようにバトンを渡す子どもと受ける子どもの行く方向が逆ですから、お互いの勢いがぶつかってしまいます。
図2:直線方式のリレー
3つ目は子ども達の一体感です。
自分のチームを一生懸命応援する子ども達が多くなりました。
図3のように1周回るので頑張って走っている子どもの姿が最初から最後まで良く見えます。
図3:トラック式リレー走っている所を見ることができる
そして相手チームと一緒のコースを走るので、後を走っている子どもは追い抜こうとし、前を走っている子どもは差を詰められていく臨場感を感じる場面も見られます。
そういった姿を見て応援したい気持ちも高まるのでしょう。
もちろん今まで行なっていた直線方式のリレーでも良い所はたくさんありました。
折り返しのコーンを回る時にどうすると早く回れるか考えて話し合うこともできます。
また先程話したように直線方式のリレーはバトンの受け渡しが難しいからこそ、どうやったらバトンを落とさず且スムーズに次の走者が走れるかを考える事も出来ました。
直線を走って帰るだけなので、シンプルで分かりやすく目的もはっきりするので。
そして皆で協力して一つの事を達成する充実感もありました。
ただトラック1周形式は年長組だからこそ、自己発揮しながらクラスの集団としての形成力も高めることができるのだと思っています。
私たちも子ども達も、新しいリレーの方式になったことで、色々な発見と気づきがあります。基本的に先生は早く走れる方法が分かっても、子どもの気づきを大切にして言わないようにしています。子どもが意欲的に取り組む中で色々な事を考え、話し合いクラスとして協同する力を育て充実感や達成感を感じられるようにしていきたいと思います。
作戦会議をしている子どもたち
初めて1位をとって喜ぶ子どもたち