年中組の男の子達で砂遊びが大好きな子達がいます。
この日は砂場で山を作っていました。
最初は山を二人ほどで作っていてましたが、どんどんと子ども達が吸い寄せられるように「入れて」と集まってきました。
4人に増えどんどん山が大きくなっていきます。
山が大きくなると、今度は砂に水をかけて濡らし固め始めました。水を持ってくるのが楽しい子、山を作るのが楽しい子、それぞれが楽しいと感じている事をしながら山を作っていきました。
そうして高い山にした後、今度は「トンネルを掘ろう」ということになりました。
トンネルを掘るために今度は小さくて細長いスコップに変えて掘っていきます。
スコップでトンネルを掘る時、大抵皆が好き勝手の場所から掘ってしまい、崩れてしまうことがあるのですが、この子達はトンネルを2つの入り口から順番に掘っていき、繋げようとしていました。
さらに途中から入ってきた子どもの発想でまた面白くなっていきました。その子は砂山のトンネルではない場所から水の入ったジョウロを突き刺したのです。
そうすると今まで掘っていた穴から一気に水が流れ出しました。
「(水が)きたきた!」「繋がった!繋がった!」と興奮する子ども達。子ども発想の豊かさを感じます。
そこからどんどん水を流していきながら、穴を掘ってしっかりと繋げようとしていました。
しかし、、
水を流しすぎて一方の入り口の方の砂山が崩れて穴が塞がれてしまいました。
だけどやる気は途切れませんでした。「またやり直そう」と元気よく言い、再度根気強く掘る姿がありました。
子ども達が遊び込み、遊びがどんどん発展していく時、そこに独特の空気感が出来ると言われています。
今回子どもたちが出していた遊び込みの空気感は台風のように沢山の人を巻き込んでいきました。最初は2人ほどで遊んでいた山づくりに、1人2人と他の友達が入り、最後には年長組の子ども達も3人加わり、大勢が関わって遊んでいました。
そんな風に没頭して遊んでいた子どもたち 、片づけの時間がきてしまいました。
先生が「どうする?」と聞くと「壊す」と言って嬉しそうに踏み潰していました。
壊していた時に山から出てきた製作物、山を固めるために友達がこれを入れたいと言って山のてっぺんに入れていたらしい。「濡れちゃったから乾かそー」と言って保育室に持っていきました。
子どもたちは遊びに没頭し、次々と遊びを面白くしようと子どもたち同士で発展させていました。そして目的が深まっていき、共通のイメージの下、掘っていったトンネルが繋がった時の喜びは大きな充実感を感じているようでした。
これからも日々の遊びの中で充実感や達成感を感じて生き生きと生活して遊んで欲しいなと思っています。