作品展ではなく展覧会(絵画と活動の展示・記録)
今年は作品展ではなく展覧会です。作品展というと、どうしても作品を想像してしまうと思います。
今年、年少組から年長組までは子ども達の絵画を2点、育ちを共有するための記録をそれぞれ展示します。
絵画をメインにした理由は園として描画活動がどうあるべきか、考えてきたからです。描画に対して写実的な表現からの脱却を決めたのが1年前。将来写実的に描ける事を目標としないならば、なぜ子ども達に描いてもらうのか、考えてきました。答えはまだ見つかりませんが、絵画活動の中で、子ども自身の中から生まれた表現を大切にしたいと思うようになりました。それは描くまでのプロセスを見る事です。子ども達の世界は完成された絵だけでは伝わらないことが多くあります。描いて満足するまでの過程を振り返り、出来上がった結果の絵を見ると、子どもの心の様子が何となく見えてきたように思います。その様子を保護者の方と共有したいと思います。
モチーフから自分なりの表現が生まれる。
1学期に育てたトウモロコシをモチーフに絵を描いた時のことです。
筆の先から出来る絵の具の水滴を利用して、トウモロコシの粒を描いていきます。
粒に艶があって美味しそうです。
丁寧に絵の具の粒でトウモロコシを描いた後、今度はみどりの色で上から重ねて塗り始めました。
モチーフのトウモロコシに何本か皮がついていたのですが、そこから発想が広がったのでしょうか。変化を恐れず丁寧に塗り重ねていく姿が印象的でした。
絵から子どもの思いや心の動きが感じ取れると、その子の表現がとても素敵なものとして受け止められると思います。
もちろんそのお手伝いは担任がします。
子どもの育ちの姿を現す記録「ドキュメンテーション」
愛泉こども園では遊びの中で自分たちがやりたい事を選び自己発揮していく中で主体性を育てる事を大切にしています。今回は子ども達がこの園で生活する中で見られた育ちや主体性が発揮されていたエピソードを写真と文章(これをドキュメンテーションと呼んでいます。)で紹介したいと思います。
そんな訳で今回の展覧会は、
絵を描くことを通して自分なりに表現する楽しさを味わった絵をご覧いただきその子なりの表現の素晴らしさを感じていただくこと。
ドキュメンテーションから育ちを共有して成長を喜びあうことをねらいとしています。
どうぞ楽しみにご来園下さい。